花乃荘 (renovation) 2012 湯河原
かつては歴史のある別荘地には古き良き日本家屋が残っていましたが、最近は見受けなくなりました。花乃荘は、歴史ある別荘地にあり、昭和初期に建てられた数少ない日本家屋であります。大抵は無理な増改築が行われ、雨漏りや傾きがあったりしますが、建築当時の図面と比較すると、一部の間取りや仕上げ等が変わっていただけで、ほぼ当時のままで残っていたのが幸いでありました。長尺の桁(丸太)や無垢のフローリング、繊細な建具等今ではなかなか手に入らないものは残したまま、水廻りに現代のリゾートの要素を注入し、継承と革新をテーマにリノヴェーションをしました。
ガラス窓をスライド式にした半露天風呂。
門から玄関までのアプローチ。新たに金閣寺垣を設け、コクマザサを植栽。足元灯はオリジナル。
床はアンティークな家に合うブラックウォールナットのヘリンボーンを採用。
建築当時のステンドグラスに合う照明は、アンティークショップで見つけた一点もの。
能舞台をイメージしたテラス。
壁は石の冷たさを感じさせないようバーナー仕上げに。湯口は檜の角材を刳り貫いたもの。
黒の窯変釉モザイクタイル貼り洗面カウンターに木製洗面器を設置。水栓は艶消しブラックを選択。手前にスライドする鏡は化粧鏡兼浴室ブラインド。
手洗いスペース(手前)まで明かりが差し込めるように、トイレの扉はワーロン紙を貼った障子。